新しい年に向けて1年間の汚れをすっきりと

12月7日、世田谷区にある、江戸時代の古民家を移築復原して公開している2つの民家園のうち、区立次大夫堀公園民家園の「旧安藤家住宅」で、年末恒例の大掃除「煤払い」が行われ、新年を迎える準備が始まりました。

「煤払い」は、茅葺きの屋根裏に囲炉裏の煙などで付いた煤やほこりを落とす作業のことで、区内の民家園では、この煤払いと一緒に、古民家内の畳や民具などを庭に運び出して行われる年末の大掃除は、毎年12月に行われています。

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朝9時過ぎから民家園の職員、ボランティアなど総勢約40人が、作業服姿で建物内の畳や民具などを次々に主屋の周囲に運び出し、大掃除が始まりました。

普段は建物内に置かれている年季の入った箪笥や機織り機などが古民家の前庭にずらりと並べられ、来園者はその様子を庭先から珍しそうに見つめている姿が見られました。

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はたきや雑巾などを使って手作業で民具のほこりなどを落とし、屋根裏や梁にたまった煤やほこりは、手製の笹ぼうきなどを使い、数人がかりで払い落とされました。

また、畳は山の形に組み合わせて庭に並べられ、湿気を払った後、竹の棒で叩いてほこりなどを落とす作業が行われました。

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今回「煤払い」が行われた「旧安藤家」は、江戸時代後期ごろに旧大蔵村の名主を務めその主屋は式台のある格式の高い民家で、世田谷区の有形文化財に指定されています。

同園には、ほかに「旧加藤家主屋」や「旧城田家主屋」などもあり、こちらは12月8日に煤払いが行われ、また、14日には、岡本公園民家園でも同じく煤払いが行われる予定です。

煤払い中は建物内の見学はできませんが、庭先などから大掃除の様子を見ることができます。

両民家園ではこの後、12月27日に門に門松などを立てる「正月飾り」が行われ、新年を迎える準備が整えられる予定です。