横浜能楽堂20周年、重要文化財の能面を使った「伝説の能面・狂言面」開催

横浜市西区にある横浜能楽堂は今年で20周年を迎えます。
20周年を記念して「本面」を使用した「伝説の能面・狂言面」の4回公演が6月11日から開催されます。

能を上演する上で欠くことの出来ない能面。「本面」は、室町時代から江戸時代初頭に制作された基本となる面のことをいい、現在では「本面」を手本に作られた「写し」が使われています。「本面」は当主ら限られた演者が特別な催しでのみ使うものであり、生涯に数回しか使わないものもあります。
今回の公演は、その「本面」が見られる貴重な機会となります。

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■「白式尉」(日光作・梅若六郎家蔵)

今回行われる「伝説の能面・狂言面」の4回の公演には各回ともに「本面」が登場。

6月の第1回公演では、能にして能にあらずといわれる「翁」が上演されます。
「翁面」の名手として知られた日光作の「白式尉」「黒式尉」を梅若玄祥、山本東次郎がつけます。
「黒式尉」は国の重要文化財でもあり、演者はいずれも「人間国宝」という豪華な組み合わせです。

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■「雪の小面」(龍右衛門作・金剛宗家蔵)

女面の名人・龍右衛門作の豊臣秀吉愛蔵「雪月花の小面」。三井文庫所蔵「花の小面」、行方知ずの「月の小面」、金剛宗家所蔵「雪の小面」の3面の中で、7月に行われる第2回公演では、「雪月花の小面」のうち唯一、舞台で見ることができる「雪の小面」を使い金剛流の若宗家・金剛龍謹が「杜若」を舞います。

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■「節木増」(増阿弥作・宝生会蔵)重要文化財

8月の第3回公演では、増阿弥作の「節木増」を使い、宝生流の宗家・宝生和英が「熊野」を初演します。鼻の付け根にあるカゲが特徴的な「節木増」は、屈指の名品でこちらも国の重要文化財に指定されています。

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■「蛙」(日氷作・銕仙会蔵)重要文化財

9月の第4回公演では、「蛙」の面が登場。死人を横に死相を写したという伝説が伝わるほど迫真の形相の面で、日氷作。この面にぴったりの能「藤戸」を観世銕之丞家の当主・銕之丞が舞います。

横浜能楽堂企画公演「伝説の能面・狂言面」は「本面」を使った能を鑑賞できる貴重な機会です。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか!

開館20周年記念 横浜能楽堂企画公演「伝説の能面・狂言面」
第1回 6月11日(土)14:00開演
第2回 7月17日(日)14:00開演
第3回 8月21日(日)14:00開演
第4回 9月24日(土)14:00開演
横浜能楽堂