障害者差別解消法施行を前に、世田谷区で講演会が開催されました。

障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら安心して暮らせる豊かな共生社会を実現するために、4月1日より障害者差別解消法が施行されます。この法律は障害のある人に対する「不当な差別的取扱い」の禁止や、「合理的配慮の提供」を求めており、その実現に向けた取組みの準備・検討が進められています。

世田谷区では、3月28日、世田谷区民会館で障害者差別解消法の施行を前に世田谷区民・事業者・世田谷区がともに考える場として「いよいよ施行!障害者差別解消法とこれからの世田谷区」と題した講演会を開催。区民や区職員など約170名が参加しました。

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まず、アビリティーズ・ケアネット株式会社代表取締役会長兼社長の伊東弘泰(いとう ひろやす)氏から「障害者差別解消法 制定経緯及び今後の課題」をテーマとした講演が行われました。伊東氏は「多くの人が気付かないうちに差別をしてしまっていることが多い。障害者が地域で暮らし、働くためには、保護され守られるだけではなく、理解され支援されることが必要だ。皆さんでこれらを一つ一つ積み上げてほしい。」と話されました。
続いて、東洋英和女学院大学教授の石渡和実(いしわた かずみ)氏が登壇し、「障害者差別解消法施行に向けた自治体の役割」について講演を行いました。石渡氏は、「世田谷のまちづくりの歴史が、障害のある人の生活環境も整えてきた。ひとり一人がかけがえのない存在になるために、区民への啓発も大切である。区民が障害のある人にどう対応したらよいのか、自治体職員が率先して示すことが大事だ。」などと語り、参加者は時折メモを取りながら耳を傾けていました。
最後に世田谷区障害施策推進課の若林一夫(わかばやし かずお)課長より、「世田谷区の基本方針」及び「職員対応要領」の説明がありました。

参加した区民の方は、「今回の講演会を通じて、障害のある人が暮らしやすい生活を送るために、自分に何ができるかを考える良い機会になった。今日聞いた内容を来られなかった人にも伝えたい。」と真剣な表情で話していました。